2022年度女性限定C級コーチ講習会実施報告(関西/大阪)
実施日:2023年3月18日(土)
会場:追手門学院大学安威キャンパス(大阪府茨木市)
参加者:20名
講師:大橋千里・佐藤貴志・小畑江至
女性限定JRFUC級コーチ講習会が大阪府茨木市にて開催されました。今回の受講者は、ラグビースクールにて日頃から指導をされていらっしゃる指導者、太陽生命シリーズなどトップレベルの大会で活躍する現役選手、プレーイングコーチとしてクラブチームを支えていらっしゃる方など、非常にバラエティに富んだ20名のメンバー構成となりました。
午前中は座学を行い、最初受講生の皆さんは少し緊張した雰囲気でしたが、アイスブレイクを通して少しずつ緊張もほぐれていきました。そして、座学の中で数回にわたって行われたペアワークでは、お互いの思いや考え方を共有される姿を見て、日頃から情熱や愛情を持って子供たちへの指導に携わっていらっしゃるのを感じました。現役選手も小学生対象のタグラグビー教室等の指導経験を振り返りながら、コーチのイメージを持って受講されている姿が印象的でした。ペアワークで出し合った意見を全員で共有する場面では、様々なカテゴリーでの事象や経験をお話しいただき、全員が大きなフレームの中でコーチングスタイルやコーチングアプローチについて捉えることができました。
午前中の最後には、午後からの実技に向け3~2人グループに分かれました。そして、攻防の原則からメニューを選択し、自分たちで設定した指導対象年齢を想定しながら練習計画を作成するとともに、ヘッドコーチ、メインコーチ、アシスタントコーチの役割分担について確認しました。
午後から7班を2つのグループに分け、各班10分間の実技を行いました。午前中の雨により、午後の実技は体育館での実施となりましたが、限られたスペースの中でできることをやる!という工夫が各班でなされていました。最初の班はプレッシャーがかかる中で、3人がそれぞれの役割を果たしながら設定した対象年齢と練習のキーワードに合わせた選手への声掛けがとても印象的でした。各グループの実技修了後に行うレビューでは、コーチ役の受講者も選手役の受講者もそれぞれの視点から良かった点、改善点などを活発に意見交換する姿が印象的でした。全員でレビューを行うことで徐々に実技がブラッシュアップされていく様子も、受講者全員で課題意識を持ちながら実技に取り組んでいた成果だと感じました。実技を通して、受講者の方々が難しいと感じたところは、コーチングプロセスで紹介されたプレーヤーセンタードという考えから基づくオープンクエスチョンを用いた練習の振り返りでした。ある現役選手の受講者の方が「日頃の練習の中でアウトプットする場面がたくさん設定されているのは、私たちのコーチがオープンクエスチョンの手法を取り入れているからだということを改めて気づきました」と話していたのがとても印象的でした。
受講者のアンケートには、「みんなと話し合えることが良かった」「他の班の実技を見ることで新たに気づけた部分や改善策を自分の中で見つけることができた」という意見も多くありました。受講者もエデュケーターもみんなで一緒に学ぶという雰囲気は、この講習会でも学んだ「プレーヤーセンタード」を体現したのではないかと思います。
今回受講された皆さんが、これから女性コーチとして繋がっていき、全国で活躍されることを楽しみにしています。
報告:日本ラグビー協会普及育成委員会コーチング部門